猫の『抗体価検査』とは?ワクチンの接種頻度について考えよう

猫の『抗体価検査』とは?ワクチンの接種頻度について考えよう

昨今、イヌの方では抗体価検査の必要性と意義が重要視され、院内検査キットも普及などもあり抗体価を調べてからワクチン接種をするということが一般的になりつつあります。猫ちゃんにも抗体価検査は検査センターに送付することでできるのですがその結果からワクチンのブースター接種を行うべきがどうかの判断は難しいと思います。イヌのコアワクチン3種においては抗体価=防御能と解釈できる一方で、猫のコアワクチン3種の中で抗体価が防御能の指標になるのはパルボのみで他二つはあてになりません。これらの話からどの頻度でワクチンを打つのがいいのか高リスク、低リスク猫に分けてお話ししたいと思います。

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猫の抗体価検査とは?

検査を受ける猫

そもそも抗体価とは血中にどの程度ある種の病原体に対する抗体が含まれているかを表す指標で抗体がしっかり残っているとその病原体を予防できるということになります。

ワクチンを接種すると体内で抗体が産生されある程度の期間、残存するのですがそれがどの程度の期間維持できるかはそのコそのコによって違います。

なのでどの程度抗体が残っているかを調べるために抗体価検査を行い、抗体が少なくなってきているようであればワクチンを追加接種をして抗体価を引き上げさせます。

猫の抗体価検査は一般的ではない!?

この抗体価検査、わんちゃんでは院内検査キットで簡単に調べることができ一般的になってきているのですが、現在日本では猫ちゃんの院内キットがなく専門の検査センターに血液を送付して測定する方法しかありません。

なぜ猫ちゃんでは一般的ではないのでしょうか?

猫ちゃんの抗体価測定キットが病院にない理由

病院で診察を受ける猫

WASAVA(世界小動物獣医師会)のワクチネーションガイドラインによれば

  • 猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)
  • 猫ヘルペスウイルス1型
  • 猫カリシウイルス

この3つがコアワクチンに指定されており、全ての猫ちゃんが接種すべきとされています。

ここでこの3種類の病原体に対する抗体は実は、欧州では院内検査キットが存在し、日本でも検査センターで測定することができます。

しかし猫ちゃんでは血中に抗体が存在するからといって、しっかりとした感染防御効果があるとは言えないことがわかっています。

"参考文献
Use of serologic tests to predict resistance to feline herpesvirus 1, feline calicivirus, and feline parvovirus infection in cats.(2002)"

この論文によると

パルボウイルス(猫汎白血球減少症)では、抗体が感染防御効果と強く相関する一方で、ヘルペス・カリシウイルスでは粘膜免疫、細胞性免疫が主であるため抗体と相関が強固でないと言われています。

つまり、パルボウイルスを防御できるかどうかは抗体価である程度判断することが、ヘルペス・カリシウイルスでは抗体があるからといって防御できるかどうかはわからないので、抗体価検査の重要性は低いと言わざるを得ないです。

猫のワクチンの摂取頻度

注射器と猫

先に出てきたWASAVAのガイドラインでは接種頻度は高リスク、低リスクで分かれて定義されています。

高リスク猫

外で伸びをする猫

多頭飼育で室内外を行き来する猫、または定期的にペットホテルを利用する猫と定義されており、ヘルペス・カリシは毎年接種、パルボは3年毎より頻回に接種しない。

低リスク猫

家の中に居る猫

単頭飼育で完全室内飼い、かつペットホテルを全く利用しない猫と定義されておりヘルペス・カリシは3年接種、パルボは3年毎より頻回に接種しない。

ここでほとんどの動物病院では混合ワクチンといって上記のワクチンが混ぜられたものしか取り扱っていないのでパルボだけ打たないといったことができないのが現状です。

現実的には高リスク猫では毎年接種、低リスク猫では3年毎接種をするということになりそうです。

ちなみにワクチンの使用説明書には毎年接種という記載は2008年以降廃止されています。

まとめ

検査用紙と猫

わんちゃんでは一般的になりつつある抗体価検査、しかし猫ちゃんではその検査結果が必ずしも感染防御効果を反映しているとは言えずその検査自体の重要性は低いと思います。

おうちの猫ちゃんが高リスクなのか低リスクなのかにより今一度、接種頻度について考えてみませんか?

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