猫に必要な栄養素とは?必要な『6大栄養素』をご紹介!

猫に必要な栄養素とは?必要な『6大栄養素』をご紹介!

人とも犬とも違う猫の体。猫に必須な栄養素、知っていますか?病気にならない体づくり、始めましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

水・タンパク質・炭水化物・脂質

背伸びしている猫

家庭科や生物の授業で習った記憶のある栄養素です。馴染みもあり、普段から餌を選ぶ際に考えたり悩んだりする事も多いと思います。ここでは簡単に各栄養素の説明をしていきます。

1.水 【生命維持に最も必要】

栄養素の運搬や細胞、血液等の主成分。体温調節をする為にも必要です。

2.タンパク質【体作り、エネルギー源】

肉、魚、卵、乳製品に多く含まれています。筋肉、臓器等の構成成分。タンパク質を構造成するアミノ酸の種類も大事です。人の9種類の必須アミノ酸にアルギニンを加えた10種類が犬の必須アミノ酸で、猫ではさらにタウリンを加えた11種類が必須アミノ酸となっています。

タウリンは正式にはアミノ酸ではなく、アミノ酸から合成される栄養素成分です。

3.炭水化物 【エネルギー源、腸の健康】

果物、穀類、芋類などに含まれています。糖質と繊維質に分けられます。糖質はエネルギー源、繊維質は腸内環境の適正化、糞便の形成等。

4.脂質 【体を守る、エネルギー源】

植物油、牛脂、バター等に含まれます。効率の良いエネルギー源であるとともに、細胞膜、血液の主要構成成分、ホルモン生成の必須成分でもあります。皮膚と被毛の健康にも大きく関与します。主成分である脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、不飽和脂肪酸のうち体内合成出来ない脂肪酸を「必須脂肪酸」といいます。

*人と犬でも必須脂肪酸であるリノール酸、α‐リノレン酸に加え、アラキドン酸も猫にとっての必須脂肪酸です。

ビタミン・ミネラル

ビタミンは、ビタミンカラーやビタミン剤など元気になるイメージがあります。ミネラルはミネラルウォーターが頭に思い浮びますね。
 

5.ビタミン 【身体の調整】

微量で生体の正常な発育や代謝を調整。生命活動に不可欠な栄養素。重要な働きをしていますが、体内で合成出来ない、または合成量が不充分なものがほとんどです。*ナイアシンは猫では微量しか体内合成できません。

6.ミネラル 【身体の調整】

様々の臓器の機能の維持や調整に欠かせない栄養素です。骨や歯の構成成分でもあり、多くの酵素反応にも必須です。ミネラル同士の相互作用があり、過剰摂取や欠乏に気を付ける必要があります。

猫が不足しがちな栄養素

人や犬は体内で合成できるけれども、猫では必要な酵素が無く合成出来ない、または合成能力がとても低く食べ物から摂取しないといけないものが多くあります。

1.タウリン

タウリンは網膜や心筋に多く含まれるため、不足すると網膜や心臓の病気になりやすくなります。猫ではタウリンの合成能力がとても低いのに必要量が多いので、食事から十分な量を摂取しないといけません。動物性たんぱく質に多く含まれていますが、植物性たんぱく質にはほとんど含まれていません。穀類や植物性たんぱく質の多いキャットフードでもタウリンは添加されていますが、手作り食ではタウリン不足に気を付けましょう。

2.必須脂肪酸 リノール酸、α‐リノレン酸、アラキドン酸

リノール酸、α-リノレン酸は植物油、中でも亜麻仁油・ひまわり油などに多く含まれています。アラキドン酸は卵、肉、魚に含まれています。

3.ナイアシン

ビタミンB3とも呼ばれます。猫では体内合成できる量が非常に少ないので、食事から十分量を確保する必要があります。欠乏すると、皮膚炎や食欲不振や、下痢などの症状がでます。多くの食材に含まれますが、肉類、魚類、豆穀類、卵に特に多く含まれています。

舌なめずりしてる猫

まとめ

一見難しいように見える6大栄養素ですが、私達の普段の食生活でも、肉を多く食べたから野菜を摂ろう。バランスよく食べよう。と考えて食事を摂っていると思います。自分で食べる物を選べない猫のためにも、私達が良く学び考えて食事を用意してあげなければいけませんね。

青い食器と猫

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