猫の「人工血液」とは?6つの特徴についてご紹介します!

猫の「人工血液」とは?6つの特徴についてご紹介します!

この度、猫とその飼い主さんたちにとって、嬉しいニュースが飛び込んで参りました!なんと、猫用の人工血液が、開発されたと言うのです。でもそれって、どんなモノでどんな事に役立つのでしょう?詳しく、見て行きましょう!

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猫の人工血液とは?

病院で針を刺されている猫

猫の人工血液とは、一体どのようなシロモノなのでしょうか?
2018年3月にイギリス国王立化学会の学術誌(電子版)に、日本の研究チームが猫用人工血液の開発に成功した、と掲載されました。

製剤名を「ヘモアクト-FTM」と言い、病院に常備しておけば、必要なときにいつでも輸血に使うことができる、画期的な製剤です。

ヘモアクト-FTMにはどんな特徴があるのか、見ていきましょう。

  • ドナー不足解消
  • 血液型不適合がない
  • 長期保存可能
  • 大量需要にも対応
  • ウイルス感染の心配なし
  • 用途、利用分野が広い

1 血液のドナー不足を解消できる

ペット医療が発展するにつれて、猫の輸血が必要な場面も、増えてきました。
ですが、猫の輸血に関しては、まだそこまでの体制が整っていない、という現状があります。
そもそも日本には、動物用血液の備蓄システムが存在しないため、輸血が必要な猫が来院した場合は、獣医師自らがドナーを探さないといけません。

そこで、ヘモアクト-FTMがあれば、わざわざドナーを探す必要がなくなるのです。
緊急時にも対応が可能となります。

2どんな血液型の猫ちゃんにでも輸血できる

獣医師に抱かれた子猫

もちろん猫にも、人と同じように血液型があります。
ドナーが見つかったからと言って、なんでも輸血して良い訳ではありません。
しっかりと血液適合性試験を行った上で、輸血しなければ死の危険があります。

ヘモアクト-FTMは血液型を選びませんので、どの血液型の猫にも使うことができるのです。しかも、血液適合性試験も必要がないので、輸血時の手技が、大幅に簡略化されることになります。

3 長期保存可能

ヘモアクト-FTMは、溶液、もしくは粉末として保存されます。しかも、長期保存が可能です。
つまり、動物病院に常備することができるのです。
これにより、緊急時の対応はもちろん、輸血の必要が生じたときはいつでもすぐに、輸血することができるようになります。

4 大量需要にも対応

くつろぐ五匹の猫たち

前述したように、ヘモアクト-FTMがあればドナーは必要ありません。

ヘモアクト-FTMの原料には、牛のヘモグロビンが使われています。
牛は、工業的に育てられ、ヘモアクト-FTMの原料として使用できる、血液由来成分も十分な供給があります。
それを遺伝子組み替え技術を使って、人工的に作り出すことができますので、原料の不足がないのです。
ということは、大量に輸血が必要になったときも、対応が可能です。
例えば、大災害などで多くの猫が傷ついたときにも、十分な輸血を、猫に行うことができるのです。将来的には牛のヘモグロビンを使わず、完全合成による製造も視野に入れられています。

5 ウイルス感染の心配なし

従来のドナーからの輸血の場合、ドナーがウイルス感染していれば、輸血を受けた猫も感染してしまう危険性がありました。
ですが、ヘモアクト-FTMには、その心配がありません。
安心して輸血することが可能となります。

6 用途、利用分野が広い

聴診器と子猫

ヘモアクト-FTMは、通常の輸血に加え、猫の心不全や脳梗塞などの虚血部位にも使うことができますし、癌治療用の増感剤、体外循環回路の補充液などとしての広い分野に渡っての応用利用が、考えられています。

ヘモアクト-FTMの研究者

ビーカーを嗅ぐ猫

ヘモアクト-FTMがいかに画期的で、動物医療界に革新を起こす製剤なのか、お分かりいただけたと思います。この夢のような血液製剤を作り出した研究者とは、どんな方なのでしょうか?

小松晃之氏

中央大学理工学部 応用化学科 教授

木平清人氏

JAXA 有人宇宙技術部門 きぼう利用センター 研究開発員

このお2人が中心となり、研究チームの力によって、夢の猫用人工血液が開発されました。
「きぼう」は、ご存じの方も多いように、国際宇宙ステーション(ISS)にある日本実験棟です。
きぼうの微小重力下では、解析しやすい良質な結晶が得られ、その構造解析を行ったことが、今回の人工血液の開発に大きな貢献を果たしました。
猫の飼い主としては、非常に有り難い研究結果です!

まとめ

病院で輸血を受ける猫

これからの動物医療に大きな期待が持てる、猫用人工血液。
2016年には、犬用の人工血液も、発表されていました。
全ての愛玩動物が十分な輸血を受けられるよう、これからも、研究開発が進むことを、願います。

日本の研究者と技術は、本当に素晴らしいですね!改めて、誇りに思います。

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