猫にサナダムシ(瓜実条虫)が寄生している時の症状や駆除の方法

猫にサナダムシ(瓜実条虫)が寄生している時の症状や駆除の方法

気温が高く過ごしやすい春の季節は猫がサナダムシ(瓜実条虫)に寄生(感染)されやすい時期でもあります。寄生の原因がノミと深い関係があり、私たち人にも寄生してしまう大変危ない寄生虫でもあります。サナダムシが寄生すると猫や私たちにはどのような影響があるのか、また駆除方法や予防方法も一緒にお話しします。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫にサナダムシが寄生した症状

具合が悪い猫

サナダムシは瓜実条虫のことを指し寄生虫の一つです。成虫は扁平で細長い形をしておりほとんどは猫の腸管に寄生します。

下痢、食欲不振

サナダムシ(瓜実条虫)が成猫に寄生した場合、少数寄生では症状がでないですが寄生数が多いと下痢が続いたり、食欲不振により体重が減少することがあります。

サナダムシが子猫に寄生した場合

サナダムシが免疫力の弱い子猫に寄生してしまうと激しい下痢や嘔吐、貧血、脱水をおこしやすくなります。また腸管にサナダムシが寄生している影響で栄養障害をひきおこし発育不良に繋がってしまうため特に子猫の場合は注意が必要です。

また排泄物の中に腸の中で分断されたサナダムシ(瓜実条虫)の一部(片節)が一緒に出てくることがあり、その時に始めて飼い主さんが猫にサナダムシが寄生していた事に気づくことが多いです。

サナダムシが寄生した猫は、サナダムシが肛門周囲で動くため肛門周りに痒みを伴うため、お尻を常に気にする行動もみられます。

猫にサナダムシが寄生する理由

診察を受けている猫

サナダムシの中間宿主はノミです。

サナダムシが寄生した猫の排泄物からサナダムシの卵が混じった片節が排出され、それが乾燥してしまったものをノミの幼虫がや餌として食べます。その結果、ノミ幼虫の体内にサナダムシの卵が取り込まれます。この幼虫が成虫に孵化すると、再び猫の体に寄生グルーミングによって再寄生をおこす悪循環に陥ってしまいます。

猫に寄生したサナダムシ駆除の方法

薬を見ている猫

猫にサナダムシが寄生しても症状が出ないからといって自然治療で治ることはありません。逆にしっかりサナダムシの治療をおこなわないと再びサナダムシが寄生してしまうことがあるからです。

サナダムシの原因ノミの駆除

サナダムシ(瓜実条虫)の原因はノミです。元々ノミは暖かく湿度が高い地域をとても好みます。ノミは卵から幼虫、サナギ、成虫になるまで約2週間ほどで終了するのですが環境によって卵やサナギの状態のまま生存することがあります。

特にノミの幼虫の場合は床にあるゴミや成虫の糞、食べ物のカスなどを栄養源とし成長し、最終的に蛹になります。この状態では長期間生存可能です。またノミは繁殖力も高く、たった1匹のノミでも1日に約20個、一生に約400〜1000個ほどの卵を生むことができます。そのためノミは環境の変化でも対応し生きられるため必ず駆除しなければいけません。

ノミの駆除の効果は寄生している成虫のみです。しかし成虫を駆除できたとしても幼虫や卵などが存在するため再び寄生する可能性があります。ノミの駆除薬の中には、卵やサナギが孵化できなくなる成分が含まれているものもあります。いずれにしても定期的に駆除をする必要があります。また多頭飼いの場合は全ての猫にノミの駆除をしなければいけません。

サナダムシ(瓜実条虫)に効果のある薬

猫の体内に寄生しているサナダムシ(瓜実条虫)を駆除する方法は主に錠剤の薬を服用することです。サナダムシに効果のある駆除薬は動物病院や最近ではペットショップでも入手することができますが体重によって服用する量が違うため間違った服用方法をしてしまうと効果が得られないこともありますので、動物病院で処方してもらうと安心です。

サナダムシの駆除は錠剤の薬のほかに首や背中に垂らすスポットタイプの方法もあります。しだいに体内に吸収され体全身に行き渡り効果がでます。首や背中につけるため猫自身では手が届かないですが多頭飼いの場合、同居猫が舐めてしまわないように注意しなければいけません。

サナダムシ(瓜実条虫)を駆除する薬なので舐めた量によっては中毒症状をひきおこすことがありますので、つける時は必ず同居猫と接触させないように数時間は隔離してあげるとよいです。

駆除薬の種類によって費用に差はでますがおよそ2000円ほどかかるかと思いますが、どの駆除薬をするのか獣医師と相談することも大切です。

家の掃除

猫に対してしっかり薬を服用してノミを駆除できたとしても家の床やカーペット、ソファーなどにサナダムシの卵や幼虫が潜んでいます。卵や幼虫を完全に駆除しなければ成虫になり、再び寄生してしまうため家の掃除を徹底的におこなう必要があります。

特に猫がよくいる空間やベッドやソファー、カーペットなどはサナダムシの中間宿主のノミが繁殖しやすいため、こまめに掃除機をかけます。この時に吸い取ったノミの卵や幼虫などは掃除機パック内で成虫になることも考えられるため新しいのに取り替えたり消毒も忘れずにおこなうことです。

またこの時にノミ駆除の薬剤を使用するとさらに効果がありスプレータイプがよいです。

猫にサナダムシを寄生させないための方法

聴診器と猫

猫と家の中のノミを駆除できたとしても、再び猫がサナダムシに寄生されないよう予防することがとても大事です。なぜならばサナダムシの中間宿主のノミは13度くらいまで繁殖や生存が可能だからです。

住んでいる地域や環境によりますが春〜秋までしっかり予防することが大事です。またノミに寄生されないよう猫自身にも予防薬を投与することや定期的にノミ取りコームを使ったりブラッシング、シャンプーをして清潔に保つことも飼い主さんがおこなう務めです。

サナダムシは人獣共通感染症

女の子を見上げている猫

このサナダムシ(瓜実条虫)は猫だけではなく、私たち人間にも寄生するため人獣共通感染症として大変重要視されている感染症なのです。

人間の場合も同様で、猫と同じ感染ルートでサナダムシの幼虫がいるノミを誤って飲み込んでしまうことが原因でサナダムシが寄生します。主にサナダムシが寄生している動物や野良猫のほか、ウサギやネズミなどの小動物にはノミやシラミが高い確率で寄生しているため、小動物を触った手で食べ物と一緒に飲み込んでしまうことも原因としてあげられます。

人にサナダムシが寄生すると

人間にサナダムシ(瓜実条虫)が寄生した場合、症状は猫と似ており腹痛や食欲不振などです。大人の方はほとんど症状が現れません。小さい子供の場合は下痢や嘔吐など消化器系に症状が現れます。

また子供は体格が小さく床にいるノミと接触しやすいため大人より子供の方が寄生されやすいといわれています。まれに幼児の排泄物からサナダムシ(瓜実条虫)の一部が一緒に出てくることがありオムツを取り替えた時に見つかりやすいです。

まとめ

座っている猫

猫にサナダムシを寄生させないためにはまず猫をノミやシラミと接触させないようにしなければいけません。特にノミは繁殖能力や生存力が強いため徹底的に駆除対策をおこなわないといけません。また一時的に駆除をおこなったとしても部屋にはノミの卵や幼虫などがたくさんいることに殆どの方は気づいておらず、再び猫にサナダムシが寄生してしまったり、中々駆除できないといったケースがよくみられます。

そのためノミの成虫だけではなく卵、幼虫、サナギの全てを全滅しなければいけないため部屋を定期的にこまめに掃除をする必要があります。またノミは涼しい気温の環境下でも繁殖し生存できるので春〜秋の季節は猫に予防薬を投与することも忘れずにおこなうことが大事です。

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