猫が悪性リンパ腫になる原因と症状や治療方法

猫が悪性リンパ腫になる原因と症状や治療方法

猫の悪性リンパ腫は、比較的高い確率で見られる病気です。治療を行わないと命にかかわりますので、愛猫の様子がおかしい場合、受診が推奨されます。悪性リンパ腫の症状とは?そして、治療はどのように行うのでしょうか?愛猫の命を守るため、チェックしておきましょう。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫の悪性リンパ腫の種類と症状

窓辺で寝込む猫

猫の悪性リンパ腫は腫瘍ができる場所によって、たくさんのタイプに分けられます。タイプによって症状も様々なのですが、猫に多い悪性リンパ腫は、以下の3タイプです。

  • 縦隔型リンパ腫
  • 消化管型リンパ腫
  • 中枢神経型リンパ腫

それぞれの特徴を、見ていきましょう。

縦隔型リンパ腫

腫瘍が胸腺や縦隔リンパ節にでき、胸に水(胸水)が溜まるタイプの悪性リンパ腫です。胸水のせいで咳や呼吸困難、チアノーゼ、嘔吐、下痢、元気・食欲喪失、体重減少などが症状として現れます。若い猫や猫白血病にかかっている猫に多く発症します。

消化管型リンパ腫

消化管型リンパ腫は、腫瘍が腸管や腸間膜にでき、嘔吐、下痢、食欲・体重減少などの症状が現れます。リンパ腫が大きくなり、腸閉塞に発展、また、腸管の劣化によって破れてしまい、腹膜炎を起こす事も。特に老猫に起こりやすいタイプの悪性リンパ腫です。

中枢神経型リンパ腫

脊髄や脳に腫瘍ができる悪性リンパ腫です。猫白血病にかかっている猫では、脊髄のリンパ腫が良く見られますが、猫白血病にかかっていなくても、脳にリンパ腫ができる事が。症状は、麻痺やてんかん発作、性格の変化、運動失調、知覚過敏などです。

猫が悪性リンパ腫になる原因

医師二人に抑えられる猫

ほとんどの悪性リンパ腫の原因は、猫白血病ウイルス(FeLV)だと言われています。ただ、猫白血病ウイルス感染症にかかっていない猫にも悪性リンパ腫は発生するため、明確な原因は分かっていないのが現状です。老化などでの免疫力の低下や感染、発がん性物質の摂取やストレスなどが積み重なって原因となり悪性リンパ腫を発症するのではないか、と推測されています。

また、飼い主さんがタバコを吸う事で猫が受動喫煙をし、悪性リンパ腫の発症率が高まる可能性も指摘されています。なるべく猫が煙を吸い込まないよう、猫がいる場所での喫煙は避けたり換気扇の下で吸ったりなど、工夫が必要となります。

猫の悪性リンパ腫の治療法

猫と薬

猫の悪性リンパ腫の治療法は、以下のものが挙げられます。

  • 化学療法
  • 放射線治療
  • 対症療法

化学療法

猫の悪性リンパ腫のほとんどが、ステロイドや抗がん剤による治療となります。ですが、あまり結果が良いとは言えません。化学療法で症状が寛解(全治までは行かないが、症状が治まる事)した猫の平均余命は平均で約7ヶ月、少し寛解した場合は2.5ヶ月、改善が見られない猫では1.5ヶ月という厳しい結果が出ています。化学療法を行う目的は、腫瘍化したリンパ球をできるだけ壊し、苦痛を和らげ、生活の質(QOL)を高める事にあります。

放射線治療

化学療法に効果が見られない場合や大きな腫瘍に対して、また、中枢神経型リンパ腫や鼻腔内のリンパ腫にも放射線治療を取り入れる事があります。

対症療法

胸に溜まった胸水を抜くなど、症状に応じた処置を取る事も。辛い症状に苦しむ猫を、少しでも楽にする為に行います。

猫の悪性リンパ腫の予防法

注射を打たれている茶トラ
  • 定期的なワクチン接種
  • 完全室内飼い
  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動

猫の悪性リンパ腫の原因は、ほとんどが猫白血病ウイルス感染症だと前述しました。加えて、猫エイズウイルス感染症も猫の悪性リンパ腫の要因の一つとなり得ます。ですから、これらの感染症にかからないよう、定期的なワクチン接種や完全室内飼いが予防法となります。

また、免疫力の低下やストレスも原因の一つと考えられる為、バランスの取れた食事や適度な運動を取り入れ、健康状態の維持に努める事も、予防法の一つです。

まとめ

医師と黒猫

怖い病気、猫の悪性リンパ腫。できるなら、愛猫のところはスルーして欲しい病気ですね。愛猫の辛い姿を見たくないのなら、できる限りの予防法は行って行きましょう。

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