保護猫というより半ノラ猫な「セナ」
私が出会った灰色の猫
粗大ゴミの持ち込みのため、近くの環境事務所にゴミを運んでいた時のことです。ゴミ置き場から「ニャー、ニャー」と鳴き声が聞こえてくるのに気がつきました。これが私と灰色のノラ猫セナとの出会いでした。
環境事務所の方曰く「2年位でこの大きさになったので、まだ2才チョイだと思うよ~」と。日本ではめったに見ない灰色のノラちゃん。おまけに人間馴れしてる。でも飼われているわけではなく、雨露しのぎと餌をもらっているだけのようでした。
先輩猫との共存の不安
2回目、3回目とゴミを持ち込み、10月に出会ってから早ひと月・・う~ん、気になる。
「こちらで飼育していないのなら、引き取っても構いませんか?」と職員さんに尋ねると、これから寒くなってくるのでむしろ助かると2つ返事が返ってきたんです。猫の飼育経験や環境はあるものの、先輩猫と仲良く共存できるのか?何も考えず引き取りを申し出てから不安になってしまいました。
半ノラ猫をお迎えした日
まずは獣医へ
半ノラですから警戒態勢が非常に高く、引き取る(無事ケージに入れる迄)に2週間ほどかかりました。晴れてウチの子になったのはいいのですが、まずは予防接種。その足で獣医さんに向かいます。
唸り続ける半ノラ猫
まだ私にも警戒モードなのに、獣医さんに連れて行って無事注射受けられるの?しかしそこはプロでした。注射はあっさりクリアできましたが、家に着いてからが大変でした。
痛い思い(注射)をした上に、知らない所へ連れて来られ、偉そうな先輩猫2匹が興味津々で軽々しく近づいてくるし、大きい人間(主人と2人の息子)代わる代わる近寄ってくるので低い声で唸りっぱなしです。
しばらくはケージの中で馴れてもらうしかないか。。でも唸る、唸る。。
少しづつ慣れていった半ノラ猫
意外にも雄同士で仲良くなった2匹。雌の先輩猫は従来の強い性格からか中々受け入れず、今でも出会い頭にシャーとすることもあります。新入り猫を気遣うあまりに、先輩猫達の気持ちをおろそかにしてなかったかしら…
半年ほどは飼い主の私が一番胃に穴があくような思いでした。とりあえず馴れて貰わなくては・・敵ではないのよ、ということを伝えるために、叱らない、叱れない。
おかげで1年3か月経過した今では、半ノラ猫は唯一カーペットや壁紙で爪とぎをしてしまう猫となってしまいました。先輩猫達は人間にはフレンドリーでお客さん大好きなのですが、彼は隠れてしまいます。
性格は心優しく、猫の割りには群れの掟?なるものも学習したらしく先輩猫や人間にはあくまで下手(したて)で遠慮深い。
保護した半ノラ猫が脱走!
気を付けてはいるものの、敵もさるもの。来客や母のデイサービスの送迎でうっかりしてるとあっという間です。先輩猫に見習って、チャンスをうかがい一気に外へ脱走!
隣はスーパーマーケットの駐車場ですし前の通りは交通量が多いので、気持ちは分かりますが家の中で落ち着いていてほしいのです。半ノラだった彼が脱走したら、ちゃんとウチに帰るのか?
一度目は玄関前でエサに釣られて捕獲、二度目も勝手口外でエサに釣られ、三度目は一晩明かしてしまいました。
もう帰って来ないかも知れない。そう思いながら、翌朝洗濯物を干そうと二階のベランダを開けると、室外機の上に香箱座りした彼を発見。お帰り!寒くなかった?ウチはここだね、と言いながら無事に保護しました。
最後に
他の2匹は生後1か月で引き取ったので、2人の息子同様「ここはオレの家」と信じて疑いの余地がありません。
一方で、当たり前のことなのですが、他所で生まれ育った保護猫ちゃんは本当のところはどう思っているのか不安でした。実は今でもほんの少しだけ不安です。
それでも私は、ずっとずっと3匹と一緒に暮らしていきたいと思っています。