猫が『突然死』する可能性のある病気3つ

猫が『突然死』する可能性のある病気3つ

最愛の猫との突然のお別れは、飼い主にとって想像しがたいもの。猫が亡くなる原因には、寿命を全うするだけではなく、若い猫が突然死する病気もあります。本記事では、猫の突然死に大きく関わっている「心筋症」について紹介しています。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.肥大型心筋症

猫の検査

猫の突然死の多くは「心筋症」のような心臓の疾患が原因となっています。心臓病の一種である「肥大型心筋症」は、病名の通り心臓の筋肉が厚くなることで心臓がうまく血液をため込めずポンプ機能としてうまく働けなくなる病気です。

心筋症は若い猫でも発症する可能性があり、遺伝性である場合もありますが発症の原因は不明です。

2.動脈血栓症

元気がない猫

肥大型心筋症を発症した猫は、全身に血液を送るための心臓がうまく機能していないことで、血液の流れが停滞します。

「動脈血栓症」は、血液の固まりである「血栓」が血管に詰まってしまう病気です。

心筋症由来のことが多いですが、心筋症自体が気づきにくい疾患ですので以下の様子などが見られた時にはすぐに動物病院を受診しましょう。

  • 元気がない
  • 咳が出ている
  • 呼吸は早い
  • 後ろ足が冷たい(動脈血栓症の場合)
  • 後ろ足が動かない(動脈血栓症の場合)

動脈血栓症は、後ろ足の血管が詰まりやすい傾向があります。最悪の結果になることもあるので早期に治療を行うことが重要です。

3.腎臓病

ユリの花と猫

「腎臓病」は猫がなりやすい病気のひとつで、大きく分けると「急性」と「慢性」の2種類があります。体内の毒素を外へ出す働きのある腎臓の機能が低下すると腎不全となり、突然死を引き起こすリスクが高まります。

急性腎不全は結石がおしっこの通り道に詰まってしまったりすることが原因で腎臓に悪影響を及ぼして引き起こすケースもあれば、ユリの花などの毒性の強い物質を猫が舐めたりかじったりすることで腎臓自体に障害を与えて発症する場合もあります。

一方で慢性腎臓病は高齢猫が発症しやすく、目立った症状が体に現れたときは進行が進んでいることが多いです。初期症状では見つけることが少し難しいですが、「多飲多尿になった」「排泄の異常」「元気がない」などの異変が現れます。

まとめ

診察される猫

猫で突然死する病気の多くは、心臓か脳に問題が起こったときや急激な体調の悪化が見られる腎障害などが考えられます。とくに突然死の可能性もある心臓の疾患は、症状が目に見えて分かる頃には深刻な状態まで病気が進行している場合もあります。

心筋症を根本的に治癒させる方法はなく、発症した場合は薬剤の投与で症状を和らげる治療を行う他ありません。

すなわち、飼い主さんが愛猫の様子に違和感を覚えたら、かかりつけの動物病院に相談してみるしかないのです。

不安な時は動物病院で相談することはもちろん、定期的な健康診断を必ず受診し、愛猫の突然死のリスクを減らしていきましょう。

スポンサーリンク