猫が『クーラー病』になっている時の症状・病気4つ 肺炎になる可能性も

猫が『クーラー病』になっている時の症状・病気4つ 肺炎になる可能性も

猫も「クーラー病」になることがあります。今回は、クーラー病で見られる主な症状と対処法、予防策について詳しく紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫もクーラー病になる!!

ぐったりする猫

暑い夏場を乗切るために欠かせない冷房ですが、使い方を誤ると体調を崩すことがありますよね。いわゆる「クーラー病」と呼ばれる現象です。このクーラー病は人間だけがなるものだと思われがちですが、猫もなってしまうことがあります。その理由は、猫のほうが床に近い部分で生活しているからです。

床は冷えやすいので、人間にとっては快適な温度設定でも、猫にとっては寒く感じてしまうものなのです。ある意味、猫のほうがクーラー病になりやすいのかもしれません。

具体的な症状は?

聴診器を持つ猫

猫がクーラー病になると、次のような症状があらわれます。

1.咳やくしゃみ

頻繁にくしゃみをする、咳が出るなど、風邪と同様の症状が出ます。特に、過去に猫風邪の既往歴を持つ猫は再発しやすいので要注意です。

1日様子を見て、症状が改善しないようであれば診察を受けましょう。

2.下痢や嘔吐

お腹が冷えてしまうと、下痢や嘔吐の症状があらわれます。消化器症状があると水分補給もままならず、衰弱してしまいます。

症状に気づいたら、早めに通院するようにしてください。

3.肺炎

猫風邪は自然治癒する場合もありますが、こじれてしまい悪化する場合も多いです。

肺炎になってしまう場合もあり、最悪の場合は呼吸困難を引き起こし、命を落とす可能性もあります。

咳の症状に加えてぐったりしている、口を開けてハァハァと呼吸をしているようであれば、急いで診察を受けてください。

4.尿路結石

尿路結石が起こりやすい季節の代表は冬なのですが、冷房が効いた環境でも起こりやすいことが分かっています。

理由は水を飲む量が減ってしまうからです。猫は元々、水分補給が苦手な動物です。寒い冬は動くことが億劫ということも相まって水を飲まなくなります。

夏場も涼しいと感じると、水を飲まなくても大丈夫だと思い込んでしまいます。あまり水を飲まずにいると尿が濃くなり、石ができやすい状況になってしまいます。

排尿後の猫砂がキラキラ光っている(尿路結石や膀胱炎の初期症状)・何度もトイレに行く割には尿が出ていない・痛そうに呻き声をあげているなどの症状が見られたら、すぐに診察を受けてください。

クーラー病から守るには?

うちわを枕にする猫

大切な愛猫をクーラー病から守るために、次のようなことを心がけましょう。

  • 設定温度を25度以下にしない
  • 風向を下げすぎない
  • 涼しい場所と暖かい場所を用意しておく
  • 留守にする際はタイマーで調節する
  • 冷えすぎないようにラグなどを敷く

猛暑の時期は冷房を完全にOFFにすることが困難です。冷房の使用を躊躇うと、逆に熱中症のリスクが出てきます。

猫が自分で調節できるように、涼しい環境と暖かい環境を用意することが重要です。暖かい場所にはひんやりマットなどを敷いて置くと良いでしょう。冷房が効いた部屋には、通常のラグを敷いて冷えすぎないように配慮してあげましょう。

まとめ

猫と冷房

クーラー病は、人間だけの問題ではありませんでした。猫の場合は、風邪の症状(酷い場合は肺炎になることも)・消化器症状・尿トラブルなどが主な症状になります。

どれも放置すると危険なので、できるだけ早く診察を受けてください。早期発見であれば、使用する薬も優しいもので済みますし、愛猫の体にかかる負担が最小限に抑えられます。

暑いときは冷房が最適ですが、くれぐれも冷やしすぎには気をつけましょう。時々床に触れてみて、冷えていると感じたら設定温度をあげるように心がけましょう。

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