猫の『便秘』は要注意!危険な4つの病気と対処法

猫の『便秘』は要注意!危険な4つの病気と対処法

「便秘」というと私たち人間は笑い話ですませがちです。しかし便秘は辛いものですし、それだけで死に至ることもある恐ろしい病気です。しかも猫の便秘は大きな病気のサインであることが多いのです。ここでは便秘につながる病気をご紹介し、つらい便秘を回避・軽減する方法を探ります。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の便秘は何で判断すればいい?

膝の上に仰向けの茶トラ白

2~3日おきに毎回十分な量の便を出していれば、それは便秘とは言えないかもしれません。しかし1日1回いいウンチをしている猫が2日以上出さなかったら疑いありです。また毎日乾燥気味な便が少しか出ないなら、それは軽度の便秘かもしれません。

判断の基準は体調の良かった時との違いです。しかしもし自分で判断がつかないようなら獣医さんに相談しましょう。

便秘に隠れた危険な病気

ご飯を食べる茶トラ

引っ越しや模様替えで一時的に便が出なくなることはよくあります。しかし注意が必要なのは繰り返す場合です。

1.腸の狭窄(きょうさく)

便の通過を邪魔するものの代表には「腫瘍」「ポリープ」「毛玉(毛球症)」があります。また「巨大結腸症」という繰り返す便秘が原因になり大量の便が結腸にたまるようになり、結果として腸が伸び切って便が腸内中にたまり続ける病気もあります。これは便自体が異物となって腸をふさぐケースですが、いずれも最終的には腸閉塞を起こす重大な病気です。

2.背骨や関節の異常

交通事故や落下の経験のある猫が骨や関節の痛みでトイレを嫌い、便秘になることがあります。

また生まれつき背骨に問題がある猫や、老化で骨や関節が変形してきた猫もトイレで踏ん張るのが苦手です。便意も感じにくく力が入らないので、便秘になりやすいのです。

透明コップから水を飲む子猫

3.痔や腸の炎症

便に血が付いていることがあれば、それは痔や直腸付近の出血かもしれません。そういう傷がある場合、猫は痛みでトイレをあきらめてしまうことがあるのです。

4.脱水

脱水しても便秘がおきます。熱中症のような急激なものの他、猫のかかりやすい「腎臓病」「糖尿病」「甲状腺機能亢進症」の場合も脱水症状が起こることがあるのです。

またドライフードしか食べない猫や小食な猫に便秘がち・便が硬めな子が多いのですが、これも軽度の脱水状態だと考えていいかもしれません。

もしも猫が便秘になったらなら

獣医さんと茶トラの子猫

もし引っ越しなど明らかに一過性の原因(ストレス)なら様子をみます。しかし家族が増えたなど継続するものなら慢性化する恐れがあるので、1度病院で相談した方がいいでしょう。

全く心当たりが無い場合には病気の可能性があります。病院で検査をし、便秘と病気の治療を同時に始めましょう。

また、家庭での日常的な便秘対策には、ウエットフードの割合を増やす、スープを飲ませるなど、便の水分含有量を上げる方法がおすすめです。その上で整腸剤や専用のフードを使うと効果がより期待できます。

まとめ

トイレットペーパーと子猫

我が家の猫も便秘で苦労しました。彼は小食でドライフードしか食べず、腎臓病の脱水もありました。しかも足腰の弱った超高齢猫はなかなか自分だけの力で排便できません。しかしそんな彼も10歳前後からすでに便秘の兆候がありました。晩年彼を苦しめたのは、飼い主の見落としがあったからではないかと思わずにはいられません。

便秘はクセになる病気です。そしてそれだけで苦労するつらい病気です。どうか食べさせることと同じくらいの情熱で、出すことにも目を向けてくださいね。

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