猫パルボにタミフルが効く?!今後の研究でパルボウイルスの治療に変化があるかも

猫パルボにタミフルが効く?!今後の研究でパルボウイルスの治療に変化があるかも

猫を保護したら、まずは獣医さんのところでウィルスチェックを行わなければなりません。猫の白血病や猫エイズがないことをまず調べましょう。また、猫を保護したときには頭の隅に置きたいのが猫パルボウイルス感染症のことです。

215view

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の感染症の中でも恐ろしいのがパルボ

パルボウィルスとは

ウィルスの中でもとても小さなウイルスで、子猫に感染してしまうと8割のが命を落としてしまうと言います。

嘔吐や下痢が症状としては現れ、食欲不振、白血球減少なども起こってきます。猫の免疫力によっては回復する場合もありますが、体力が奪われて亡くなってしまいます。

本来はワクチンで防げるのですが、ワクチンを打ったことのない小さな子猫、外猫ちゃんや保護猫ちゃんでは重大な感染症となってきます。

パルボウイルスの治療にタミフル?

タミフル

長い間、この病気にはワクチンしかないと言われていたのですが、タミフル(オセルタミビル)の登場で状況が少し変わりました。

このタミフル、ノイラミニダーゼというインフルエンザウイルスが細胞内で複製したあと新しいウイルスが細胞の外に出ていく時に使う酵素を狙った薬ですが、それが思わぬ形で効果があったのではないかと言われています。

パルボは小さいウィルスで、この酵素を持っていません。ですが、腸内細菌からこの酵素を拝借して増殖するのではないかと言われています。それをタミフルが邪魔するのではないかというのが、いまのタミフルが猫パルボになぜ効くかの理由と考えられています。まだまだはっきりしたことがわからないのでさらなる研究が待たれます。

タミフルを使った犬猫パルボウイルスの論文

近縁ウィルス

次の論文は犬パルボのものですが、犬パルボと猫パルボは近縁ですが、ほとんどの場合猫には感染することはありません。

以下は35匹の犬のデータとなりますが、確かに症状は軽くなっているようです。

「オセルタミビル(タミフル)で治療群の犬はコントロール群に比べ、入院中に大きな体重回復(平均2.6%増)をみせた。(コントロール群平均4.5%減)また治療群の犬は白血球の数に大きな変化はなかったが、コントロール群では入院初期に大幅な下落が見られた。さらに、オセルタミビルによる大きな副作用は何ら見られなかった」
Dogs in the treatment group gained a significant percentage of weight during hospitalization (mean, +2.6%; SD, 7.1%) versus the control dogs (mean, -4.5%; SD, 6.9%) (P=0.006). Treatment dogs did not have any significant changes in their white blood cell (WBC) count, while control dogs experienced a significant drop in their WBC counts during their initial stay. In addition, it did not appear that oseltamivir use was associated with any major adverse clinical effects.

出典:J Vet Emerg Crit Care (San Antonio). 2010 Feb;20(1)

日本の2006年の発表では29匹の犬と3匹の猫に同じ治療をした結果、良好に回復し、27匹の犬と3匹の猫が生存したそうです。(従来のパルボウイルス感染症に対する治療法に加え、オセルタミビル2.2mg/kg BIDで5-7日間経口投与)

まとめ

こねこ

ワクチンが普及しその発生頻度は少ないとはいえ、一回発生すると保護活動を壊滅させるのが猫パルボウイルス感染症。

どの報告でも、大きな副作用は認められなかったというのはとても心強い情報です。

どうやら適切な時期にタミフルをつかうことでパルボウィルスの症状を抑えられる可能性があるのですが、大規模な研究はこれからを待つことになりそうです。

保護活動にはとても重要なので、早い続報を待ちたいですね!

スポンサーリンク