そのハンドクリーム、猫にとっては毒になるかも!

そのハンドクリーム、猫にとっては毒になるかも!

冬の必需品といえばハンドクリームです。乾燥による手荒れやひび割れは、痛みを伴うため苦痛を感じます。しかし、猫と暮らしていると躊躇される方もいらっしゃるでしょう。今回はハンドクリームの注意点についてご紹介いたします。

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要注意!猫に危険なハンドクリームの成分

抱きつく猫

冬場は手荒れやヒビ割れで、ハンドクリームが大活躍します。その成分や内容も年々進化し、乾燥肌の方の強い味方です。一方、人間の体には潤いと癒しを与えてくれるハンドクリームが、猫の体には害を及ぼしてしまう可能性があります。

これから説明させて頂く成分は、猫にとっては危険であり注意が必要です。ハンドクリーム自体や、ある特定の製品を否定するものではないこと、猫のいない環境下で使用するには安全であることを前提にお話させていただきます。

アロマオイル

アロマオイル

アロマオイル及びエッセンシャルオイルは、その豊かな香りに癒されます。ハンドクリームにおいても、香りを楽しむためにアロマ成分が配合されている場合があります。これらは人体には悪影響を及ぼしません。

しかし、猫の場合は事情が異なります。愛猫の肉球のケアはもちろん、直接舐めてしまうことも危険です。その主な理由として、肝臓の構造の違いが挙げられます。

猫の肝臓は、アロマオイルの成分を分解することができません。分解できずに成分が蓄積されてしまうことで、中毒症状を引き起こします。猫と暮らしている場合は、アロマ成分が配合されているものは避けたほうがよいでしょう。

キシリトール

白樺

キシリトールは、白樺や樫を原料とする甘味料の一種です。この成分を含む身近なものというと、ガムを連想するでしょう。そのキシリトールとハンドクリームにはどのような関係性があるのでしょうか?

実は、肌に潤いを与える保湿成分として、キシリトールを配合しているハンドクリームが存在します。キシリトールの中でも、成分が凝縮されているものは微量でも猫の体に悪影響を及ぼす可能性があります。

想定される悪影響としては、低血糖を引き起こす、甲状腺機能亢進症を引き起こすことが挙げられます。低血糖では重症の場合、昏睡状態に陥る危険性があります。そして、甲状腺機能亢進症では心不全を引き起こす可能性があります。どちらも深刻なものです。

現在使用中のハンドクリームや、これから購入予定のハンドクリームにキシリトールが含まれていないかを確認してみてください。ちなみにキシリトールはいちごにも含まれています。ハンドクリームのみならず、いちごも食べさせないように注意してください。

リモネン

グレープフルーツ

柑橘系の香りのハンドクリームには、グレープフルーツやライムなどの皮が配合されています。これらには「リモネン」という成分が含まれており、リラックス効果や不安を和らげる作用があります。

しかし、リモネンは猫に害を及ぼす可能性があります。報告例は少ないものの、アロマオイルと同様に猫の肝臓では処理できない成分になります。万が一に備えて避けておいたほうが無難でしょう。

ちなみにハンドクリームに「リモネン」という記載があるとは限りません。ポイントは「〇〇果皮」という記載です。この〇〇には柑橘系フルーツの名称が入ります。さらに香りを良くするために、果皮だけではなく精油(エッセンシャルオイル)が含まれている場合もあるので要注意です。

ハイドロゾール、保存料など

ハイドロゾール

ハイドロゾールとは芳香蒸留水と呼ばれ、高温の水蒸気で植物の成分を抽出した水溶液のことです。これは精油ほどの凝縮性はないものの、やはり気をつけるに越したことはありません。

その他保存料も同様です。基本的にハンドクリームは、人の皮膚に塗布するものであり食料品ではありません。人はもちろん、猫や犬などの動物が食べることも想定されていません。よって、口にしてしまうことで害が及ぶ可能性は否定できないのです。

猫はハンドクリームが好き!?

甘噛みする猫

ハンドクリームを使用すると、愛猫がいつも以上に手を舐めようとすることはありませんか?恐らく成分の危険性に関係なく、直接舐められてしまうことは回避しなければならないと思うでしょう。そもそも、猫はなぜハンドクリームに興味を持つのでしょうか?

猫がハンドクリームを舐めたがる理由については、まだ科学的には明らかになっていません。しかし、次のような仮説があります。

  • 香りに興味がある
  • 味に興味がある
  • 香りが気に入らないので除去しようとする
  • 飼い主さんから第三者のにおいがするなど

柔軟剤の香りを好む猫がいるのと同様に、ハンドクリームの香りに誘われている可能性があります。そして、食感や味に魅力を感じている場合もあるかもしれません。逆に不快に思い、それを除去したい可能性も考えられます。

猫は自分のにおいをテリトリーに残す習性を持っています。飼い主さんの手を舐めるそもそもの理由の一つとして、自分のにおいを飼い主さんに付着させ、独占しようとします。ところが飼い主さんの手から、自分でも飼い主さんでもない、第三者(ハンドクリーム)のにおいがするため慌ててマーキングをしているのかもしれません。いずれにしても、愛猫が舐めてしまわないように注意が必要です。

ハンドクリームは諦めなければならないの?

じゃれる猫

猫と暮らすには、愛猫を守るためにハンドクリームを諦めなければならないのでしょうか?その心配はいりません。動物と生活していても使用できるハンドクリームや、手荒れ対策として代用できるものがあります。

荒れて痛みを伴う皮膚を保護しながらも、愛猫と楽しく触れ合える方法をご紹介いたします。

完全無添加のハンドクリーム

ハンドクリーム

猫に害の及ぶ危険性のある人工的な香料や、保存料を使用せずに天然素材のものを使用したハンドクリームがあります。

天然素材のみでも潤いを与え、天然の香りで癒し効果も発揮しつつ、乾燥から守ってくれます。ただし、保存料不使用である場合は、期限が限られてしまいます。よって、使用期限内に使い切らなければなりません。そして、あくまでも皮膚に塗布するものです。故意に舐めさせる行為は控えましょう。

トリマーさん向けのハンドクリーム

トリマーを見つめる猫

トリマーさんは、職業柄多くの動物たちと触れ合います。そしてトリミング作業により、一般の飼い主さん以上に手が荒れてしまいます。しかし、従来のハンドクリームはリスクが高く使用できません。

そこで、開発されたのがトリマーさん向けのハンドクリームです。これは、トリマーさんを対象として製造されているものの、それ以外の方でも購入することは可能です。気になる方は一度検索してみてください。

ただし、先の天然素材の商品とは異なり、一部防腐剤は含有しています。従来のものよりも安全面に配慮はされていますが、積極的に舐めさせる必要性は全くありません。

ワセリン

ワセリン

ハンドクリームを使用することに躊躇される場合は、ワセリンを代用することも選択肢のひとつになります。ワセリンのメリットは次のようなものがあります。

  • 安価で入手しやすい
  • 舐めても大丈夫
  • 毛球症の治療にも用いられる

ワセリンは安価でお財布に優しく、ドラッグストアで購入可能なため手軽に入手することができます。そして、何よりも安全性に優れています。猫の病気の治療にも用いられることから、手に付着したワセリンを舐めてしまっても害は及びません。

オリーブオイル

オリーブオイル

オリーブオイルは油なので、乾燥によって失われた油分を補うことができます。オリーブオイルは人間の場合、少量であれば直接飲むことで健康面でのメリットがあります。そして、猫が舐めてしまっても害は及びません。

ただし、オリーブオイルをハンドクリームの代用品として使用する場合は、余分なオイルを拭き取らなければならずやや面倒です。また、愛猫の安全面に配慮してピュアオイルは避けるようにしてください。

人間と動物の兼用クリームは存在しない?

手を取り合う人と猫

動物に害が及ばないワセリンを除き、人間用のクリームを猫や犬の肉球のケアに使用することはできません。では、人と動物の両者が安全に兼用で使用できるクリームはないのでしょうか?ここからはこの謎に迫っていきます。

人と動物の兼用クリームは存在しない

残念ながら、現在は兼用クリームは存在しません。これだけ科学技術が進歩する中でも、人と動物が安全に使用できる保湿クリームを製造することは不可能なのでしょうか?実は、技術面では実現可能です。しかし、法律の壁が立ち塞がっているためにこのような商品が存在しないのです。

人と動物用の商品は製造ラインを分けている

動物が使用するにあたり、危険性が疑われる成分を排除して製造すれば兼用クリームを作り出すことは理論上可能です。

しかし日本の法律上、人間用と動物用の商品は製造ラインを分けなければなりません。よって残念ながら、現状では兼用クリームを製造することも、販売することも不可能なのです。

まとめ

人の手を舐める猫

人間にとって冬場は、ある意味葛藤の季節といえるでしょう。手荒れのケアは必要ですし、愛猫とも触れ合いたい。

しかし、ハンドクリームを塗ることで危険が及ぶと感じてしまい、ついついハンドケアは後手に回りがちです。そして、気づけば痛みを伴うほど手が荒れてしまいます。

乾燥する季節を快適に過ごすためには、ハンドクリームに含まれるどの成分が危険であるかを知ることが重要です。そして、できるだけ安全な商品を購入し、こまめにケアを行いましょう。

いかなる商品も、誤飲には注意が必要です。また、敢えて舐めさせる必要性は全くないため、ハンドクリームを使用するタイミングをよく検討するようにしてください。

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